ねーちゃんは妊娠発覚後も結構運動してたし、出産が得意なタイプじゃないかと思う。なんかこう、スポーンと産みそう(イメージ)。 升田の親父さんも自宅待機組。升田の親父さんは性別を知ってる。 どうせ、時間がかかるんだろうからと俺は冬服のデザインを考えようと思っていた。それなのに、あのねーちゃんはいつも俺の邪魔をするような気がする。 「おめでとうございます!元気な男の子ですよ」 と、病院で歓迎された。自宅待機組としては、すごくあっさりと出産終了って感じだ。もっと時間がかかってナーバスになったりするもんだと思っていた。「リンカ、弟だって。これからはリンカはお姉ちゃんだな?」 弟には優しくしよう。と刷り込もうか?いやいや、ブラコン・シスコン姉弟が完成してはキモイ。俺みたいに不遇な扱いをされないように育ってほしい。 父さんは、可愛がるだろうなぁ。初の男の孫だし。 升田の親父さんは、跡継ぎ?寿司屋で働けるように育てるのかなぁ?あと、美脚に。 それはそれとして、俺はユニフォームの冬服の事を考えていた。 男はハーフパンツじゃなくて、普通のズボン(細身)にすればいいだろ?トップスはどっちもパーカー。 女はどうするかねぇ?タイトミニスカート(スリット有り)でいっかぁ。『T』と同じだけど。 伸縮性の良い生地なのは夏服と同じだけど、冬服だから生地がちょっと厚め。俺は作る!ねーちゃんの子供とか言ってる場合じゃない。 ふと、テレビを見ると何かのコスプレ大会? あ、『K』の服の奴いる。自分で作ったんだ。感動ものだな、売ってないからなぁ。俺の手作り。でも、サイズ感があってないよ…。めっちゃピチピチじゃん。特に女性。キュロットスカートでよかったよ。ピチピチだけど。 冬服もこの人達は作るのかな?女性はタイトのミニスカート(スリット有り)なんだけど、ピチピチいいのか? さて、男バージョンで冬服のお披露目。 どんなシチュエーションがいいかなぁ? 冬服でギターやる?ローライズだから座ると、見せパンみたいになるけど?それがいいのかな? 曲は…昔の洋楽にしようかな?耳コピで頑張ろう!俺はサルよりは出来る子のはずだ! 俺は頑張った。 成果は明日の教室のリアクションに期待だな。 ******** 翌日の教室もなかなか煩かった。「あのチラ見せがいいのよ。全体像の想像
翌日俺はアスランに「しっかり学ぶように!」と俺の宝とも言える布教用のバスケ漫画を無理やりにでも貸した。 なんか喜んでいるが、お国柄か?「俺はこの漫画を布教用・読みつぶし用・保存用と3冊ずつ持っている。そのくらい重要なものだ。しっかりとこの素晴らしさを理解するんだ!‘興味がない’とか馬鹿なことを言えなくなるだろう。ハッハッハッ」「コウジ…そんなに持ってるのか?アスランの次、俺も読みたい!日本語の勉強にもなるし」 マイケルか…、勉強になるかなぁ?バスケの勉強にはなるだろうな。 そんなに癖がある日本語は使ってなかったよな?「アスランに予約しとけよ」 布教成功。漫画は世界を巡る。まさに日本→中東→英語圏と巡るなぁ。 さて、今日は心穏やかに女バージョンの撮影だな。 心も穏やかだし、露出も少なく…っていうかユニフォームでの撮影にしよう。 うーん、シチュエーション…。 一人カラオケにする?カラオケルームに一人だけ。なんかストレスあったんだろうなぁ。って選曲にしよう! そして、なぜかうちにあるカラオケルーム。 部屋にあるソファに脚を乗っけてシャウトしたり(喉のケアしよう…。)、しよう。脚を乗っけた時点でスリットからチラ見せ。でも歌う。 曲は洋楽のハードロック。耳コピしましょ。……これは歌詞が大変だなぁ。うまく出来てなかったら、歌を後付けで編集だな。 さ、撮影。服も着やすいし、楽ちんだ。伸縮性のある素材で作ったのが良かったな。 翌日のリアクションに期待して、おやすみなさい。 ******* 翌日、微妙な空気の教室。「あのくらいの露出でいいと思う」「いや、俺はもっとギリッギリを攻めてほしい」 意見が割れてるなぁ。俺はAVの世界に行くつもりないし。歌で勝負してるわけだからなぁ。「あのユニフォーム可愛いわよね!あんなにミニは着れないけど」「アレを着れるのはよほどの脚の持ち主だけよ」 脚デスカ?「『K』様、なんかストレス溜まってたのかな?私で良ければ聞くのに…」「俺俺!俺も聞く!」 オレオレ詐欺……。絶対途中から違う話になりそうだ。 その日はねーちゃんの出産予定日だったから、家族一同家で待機。投稿もお休みです。 寒くなってきたし、冬服のユニフォームも作らないとなー。 リンカも大成さんも自宅待機です。 二人ともそわそわしてる。
続いて、男バージョンの撮影とする。やはりペアのユニフォームで撮影するのがいいよな。あの服を覚えてもらいたいし。 そんなわけで、スポーティーな感じで。うーん、モヤシっ子の俺が出来るスポーツってなんだ? バスケのシュート練習? 最初は外しまくりだけど、徐々に入るようになって、最後はスパッとゴールって仕様にしますか! それにしても…この家には何故存在するんだろう?バスケットゴール。3on3も出来るじゃん。友達いない、ボッチだけどさぁ。あ、無駄に筋肉つけないように運動を控えてるんだっけ?でもまぁ、撮影だから。 曲は、昔のバスケアニメの主題歌でよくね? ******* 翌日の教室はなかなか辛辣だった。「最初の方のシュート失敗はワザとか?」「じゃないと、ラストであんなにきれいに決まらないよなぁ?」「『K』様はそんなことが可能なのよ!最初は本当にできなかったかも知らないけど、やってるうちにマスターして、ラストでスパっとできたのよ!」 うーん、シュートは割と得意なんだよなぁ。でもゴールのバックボードに当てないでシュートを決めるってのはなかなかできない。その練習をしてたんだなぁ。 ワザとミスっていたと言われると、本気でシュートを決めようとしてなかったからなぁ。目的が『バックボードを使わないでシュートを決める』だったから。ワザとと言えばワザとか?バックボードを使えば結構楽勝だったんだよね。「ちょっとぉ、そこの陰キャの人はかんけ―ないでしょ?どっか行ってよ」 と、言われたので俺は素直に図書室へ行った。宿題も完成させたかったし。 英語の宿題が出たんだよね。 アスランは楽勝だっただろうな。マイケルは問題を英訳するのに苦戦か? 俺は問題に苦戦だ。図書室は静かだし、宿題をするのに適している。 ってのになんでお前らがいるんだよ‼ アスラン曰く「俺がいるから」。マイケルはここで宿題をしていたらしい。辞書が揃ってるからね。和英辞書だけじゃなくて英英辞典とかもあるし。 アスランよ、友達の距離感じゃない。「俺がいるから」って理由でココに来たのはオカシイ。誰かコイツに友達の距離感とかを教えてくれ。なんかちょっとストーカー入ってて怖いぞ。「あー、言葉っ足らずだったか。なんか、昔のバスケ漫画?アニメ?あんまり興味ないからコウジについてきた」 うむ。それなら納得
俺にベッタリは迷惑だ。業務妨害だな。 イライラするし、女バージョンの撮影でもするか…。ってなんで窓際にアスランがいるんだ?この場所すらも国の諜報機関にバレバレなのか? 俺は遮光カーテンをして、外からは見えないようにした。 ご近所さんが通報したらしい。他人んちに勝手に上がり込んで窓から覗き込んでるんだからな。完全なる不審者だ。 アスランは警察に連れて行かれたが、そこはせこくもアラビア語を使い乗り切ったらしい。日本語も英語も堪能なクセに……。 仕方がないので家に入れた。「茶とか好き勝手飲むがいい。撮影の邪魔をするな。機材に勝手に触るな!」 あー!イライラする‼ もう絶対女バージョンの撮影! 服は夏服でいいよな?あのスリットをどうにか活用したいものだ。 OLさん……は、あぁ女バージョンはパーカー着てるから無理があるなあ。 朝起きて、逆にアレを着ていくってのにするか!今まで脱いでばっかりだったもんな。 パジャマ…は暑いから、半そで・短パン。某量販店にお世話になろう。下着とか全部。 最終的に夏服完成!って感じで。 曲は……爽やかに朝が来た!って感じの曲で。 歌詞は暗記。メロディーラインは覚えた。 さて、撮影だ!……あいつさえいなければ。 ********* 翌日の教室「いつも、脱げてばっかりの『K』様にしては珍しい感じだよな。新鮮だった」「そして、あのキュロットスカートのスリットがまたいい仕事してたなぁ」「男共はそればっか。全く、歌が朝一で上手いってあり得ないわ。撮影したのが朝一じゃないってわかってるけど、なんだか負けた気分」 歌の感想いただきました!「『K』様って?」「ああ、アスランは知らない?年齢から性別とかぜーんぶ不明の動画を投稿する人。ヒトっていうのは確かだよな?うん」 そこを確認しないでくれ。「うん、知ってるけど。俺は国で『K』様って呼ばないからさぁ」「あ、お国柄かなぁ?日本だとなんとなくねぇ。尊い存在に‘様’をつけちゃうのよ」「へぇー」 俺は尊いのか?昔は父さんも‘『T』様’って呼ばれてたよなぁ。ネットの世界で。面と向かってではなく。 ねーちゃんは『S』様?呼ばれてたっけ? うーん、ねーちゃんが活躍していた時、俺は小学生か?耳にした事ないような気がする。 ねーちゃんに直接聞くかぁ。 放課後に升
情報化ってすごいなぁ。 特に、俺にアプローチしてきた王子は俺の本当の性別までご存じのようだ。 というのも、翌日、転校してきた。 俺のクラスだけ転校生多くないか?いや、こいつは国の圧力を使ってるのかもしれないけど。「俺の名前はアスラン=カシム=スレイマンです。アスランとお呼びください」 と、転校してきた時に挨拶したけど、王族なのにそんなに腰が低くていいのか? 唐突に俺のところに来て、「ソニアを通して話すのはまどろっこしいからさぁ」 と。 俺は全力でこいつ、アスランを図書室に引っ張っていって、「わかってると思うけど、俺の正体は絶対に秘密だからなっ」「二人だけの秘密ですか?いい響きですね?」 残念だが、もう一人知ってるやつがいる。「マイケル=マスダも知ってる。升田一族の人間だ。親戚だからなぁ。留学生ということで、俺のねーちゃんもいるとこに泊まってる」「二人だけの秘密だと思ったのに……」 あー、コイツめんどくさい。話は放課後に!その升田の寿司屋で話そう。 そんで放課後となった。「升田の親父さん、また俺のクラスに来た転校生でこいつの名前はなんか長い。アスランだ。この店の大将で俺のねーちゃんの義父だ」「サヤカさんなら実子でもよかったなぁ。可愛いし」 親父さんの娘なら違う風に生まれてきてるよ。うちの父さんと母さんのDNAによる共作だ。「親父さん、アスランが俺の貞操を狙う中東の王族。バイセクシャルの王子」「コウジ君も、なかなか難しい相手に目を付けられたもんだね」 本当にね。「アスラン、お前がバイだろうと俺はノーマルの男だ。絶対にお前と付き合う事はない」「ノーマルの男が女装とかしてるのか?」「そうだ」「何も思わないのか?」「そうだなぁ?明日のクラスのリアクションはどうだろう?とかそんなのだな。男の格好でも同じだな。素でカメラの前ってないから」「あら、コウジ久しぶりじゃないの?お友達?」「コウジ君のクラスに転校しましたアスラン=カシム=スレイマンと申します」「丁寧に。私は升田サヤカよ。コウジの姉。で、この子は升田リンカ」「俺の孫だ!」 升田の親父さんが初めて誰かに言い切ったの見た!うちの父さんはよく言ってるけど。「コウジもサヤカも甲乙つけがたいな。いっその事二人とも……」「何言ってるんだ?ねーちゃんは既に子持ちの人
だからこそリンカに魔女っ娘っぽい箒を買い与えることができたんだろうけど…。買い与えたのうちの父さんか? この際誰でもいいが、使い方は強制できないしリンカが振り回していて、ちょっとした凶器だな。 さて、今日は女バージョンの撮影をしようかな? リンカが好きな魔女っ娘。黒いローブ…は、何故かある暗幕を裁断、縫製して手作りしよう。 箒…今どきあの箒はないんだよなぁ。何故かある鉄の棒をコンピューター加工しよう。全体的にコンピューター加工だなぁ。黒い長いストレートヘアもカツラだな。各種のカツラも何故かあるシリーズだよなぁ。 魔女っ娘はあんまり露出できないな。ただし…脚、網タイツを履いてやれ。 曲はどうすっかなぁ? アニソンのリクエストがあったから、魔女っ娘っぽいアニメのテーマソングでもいっかぁ。 ********* 翌日の教室は真面目な討論会だった。「魔女っ娘は男のロマンだ」「それは裸エプロンじゃないの?」 それ、俺も思った。「いや、魔女っ娘も好きだ。黒くありながらも、あの網タイツの脚がなんとも」 こいつ鼻を押さえた。思い出し鼻血?「なんともムッツリスケベね」 そう、それ!「昔の魔女っ娘のアニソン?『K』様は本当にジャンルを問わずに何でも歌えるわよね」「上手いし」 歌の感想いただきました‼「マイケルはどう思う?」「うーん、文化の違いかなぁ?魔女にいいイメージを僕は持ってなくて。はははっ」 そっかぁ。国によってはそういうところもありか。気を付けないとな。昔は魔女裁判があったりしたわけだし。「ちょっとそこの陰キャ男、どっか行ってくれない?」 ちょうど図書室に行って各国の民族性とかと民族衣装を調べに行こうと思ってたところだよ。 そういうわけで、俺は図書室に行くことにした。討論が面白くないと、マイケルが俺についてきた。 うわっ簡単に着たら、危なくその国民になるところだったよ。ん?あの王族の国じゃん。なかなか策士の王様だな。 有名どころの民族衣装を着るところから始めよう。 そう思ってたのに、まさかのお誘いがネットを騒然とさせた。 中東の王族(末端)が自分はバイセクシャルだから、『K』の性別については気にしない。だから、是非、自分とお付き合いを!という話をソニアへと打診があったらしい。 末端といえども王族。無下には出来な